はてブは2ch化すべきであり、1000万ユーザへの道はそれしかない

id:shi3zはてブ偏重に苦言を呈し、また村周辺でちょっとした話題になっている。元記事には、幾つかの話がごっちゃに書かれている。

普通の読者にウケる記事は、はてブされにくい。センセーションがないからだ。逆にはてブされやすい記事は、刺激が強すぎて商業誌には載せにくい。
(略)
はてなブックマークのユーザは学生や技術系の社会人が多いような気がする。ただ、平均的な技術レベルは高くないので、技術でいえば初心者や新入社員、大学生向けのノウハウに票が集まる。

http://d.hatena.ne.jp/shi3z/20081010/1223596246


後者には、

有用性って言ったって、「誰のために有用なのか」が大事なわけだから(略)。それぞれ知識レベル、興味レベルは違うわけで。「論文なんか見ても解らない人」にとっては「日本人が適当に端折って解説した方」が有用なわけで。論文見てもわかんねえんだから。わかる方がいいじゃん。わかった分だけプラス。プラスになっただけ有用。

http://d.hatena.ne.jp/takerunba/20081010/p3

などの反論が出ていて、ブコメにも同様の反応が見られる*1


だが、前者への反応はあまりないようだ。前者と後者は、見方によっては相反する問題提起のハズだが、その関係をid:shi3zは明示していない。


ここで、自分は、id:jkondoたこつぼ発言や1000万ユーザ拡大路線の時の話、はてブ衆愚化論争の時の話を思い出す。はてブの質・レベル・ユーザ層は、繰り返し話題になっていて定番ともいえそうだ。自分ははてブの側から、この問題に対する考えをここで書いておきたい*2


詳しい者より初心者が多いのが当たり前。

本屋のコンピュータ書籍コーナーにに行っても、「初めての〜」「〜入門」などという本がやたらスペースを占有している。どんな分野だってこのピラミッド構造になっているのが基本だろう。入門書に価値がないというわけではない。それだけでは足りないという事が問題なはず。

個人個人は、自分が興味がある分野については初心者じゃない。

大抵の者は大抵の分野に詳しくないが、特定分野では大なり小なり人より詳しい。誰でも何かしらに興味を持っていて、その系統については一般の人より、ちょっとあるいはすごく詳しい。その詳しい分野については、より濃い適当なレベルの記事を読みたいし話題にしたいもの。

しかし、数を単純に足し合わせると、それらは埋もれてしまう。

興味ある分野は人それぞれだから、当たり前。ただ、コミュニティの偏りによって一部の分野は、濃くても対応読者が十分な数が居て上位には来るけど、その分野以外には意味がない。さらに偏りが過ぎる記事ばかり上位に来るとキモくて一般ユーザが敬遠離散するかも。一方で一般的な薄い話題ばかり持て囃されては、貴重な濃いネタを見つけてくる者にも負の動機付けを与えてしまう。

ソーシャルなんだから話題になってナンボ。興味ある分野の濃いネタも話題にしたい。

人が集まるところに人は集まる。情報源としての利用もいいが、やはりコミュニケーションが存在するから楽しいし新しい発見がある。はてブでは濃い記事についてそれができず、そういうブログをRSS講読して自分でチェックするしかなく、その分野・レベル的によいネタも盛り上がりにくい。

解決のために、2chを志向すべき

犯罪予告しろとか、氏ね氏ね言えと、草生やせという話ではない。2chというとVIPやニュー即+などのイメージばかりが先行するが、実態はそうではない。2chには数百の板がある。アクセス数は先述の板に比べるべくもないが各種の専門板もあり、さらにアクセス数が限られる話題は、板内のスレッドが板の代わりを担っている。アクセス数の多寡は時間の流れで調整される。VIPでは一瞬でスレが流れていき、寺社仏閣板ではスレ内で日単位の間隔でレスがやりとりされる。ユーザは、同時にいくつも自分が興味ある板に生息し、時間の流れの調整を自分で対応して、いくつもの興味と自分のレベルに合った話題にありつく。

はてブはこれらを見習って、一般に人気の薄いネタも様々な分野の濃いネタもユーザの嗜好に合わせて話題として浮かび上がらせる方法を実現するべきだ。理想的にはユーザを多重にクラスタ化して、ユーザの嗜好に合いかつ話題にできるhotentryを提供する仕組みを提供すべきだ。クラスタの中では方言的ネタや独自が生まれるような。

今のはてブユーザはコア・古参系クラスタに活かしつつ、これによって全方位的に多くの分野・文化に射程を広げユーザを巻き取っていく。最終的には同じはてなの中で、

はてブ利用者が1000万人を超えた場合のブックマークコメント欄予想。

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http://d.hatena.ne.jp/RPM/20080611/1213189940

のような文化のクラスタが、コア・古参系と重なりの薄いところで共存する形が出来上がってくるだろう。要は棲み分ければよいし、そうしなければ現在のユーザベースから1000万ユーザ到達などありえない。はてブは広告を見るところ技術系への偏りを強みとして影響しているようだが、クラスタごとにそのような営業ができるようになるのが望ましい。

クラスタSBM2chに対しても大きなアドバンテージがある。例えば、クラスタはアメーバのように適応的に変化できるが、2chの板はトップダウンで用意されるため柔軟な変更が難しい。また、2chのアクセス規模が小さい板ではスレッドはデフォルトでsage進行されるなどフロート式掲示版の機能は生かされていない。そしてなにより、2chの専門板の各レスも濃いとはいえ、はてブのターゲットに含まれる専門ブログは往々にして数段その上を行く。

現状では、「お気に入り」がこの役を担っているが、如何せんサポートも弱く、あくまで入力であってhotentry的な「場」が提供できていない。これはこれでよいが、願わくは、今回のはてブのリニューアルが、この俺の考えた夢の超合金はてブ実現の足固めであればよいのだが。

*1:id:shi3zは誤解を招く書き方でこう反論されているが、はてブのために濃い記事をやめて薄い記事を書くのは良くないといいたいのだと思うが

*2:この考え自体も、もう定番化していそうな気がするが…